2006年2月19日
「聖書通読」
昨年春、バイリンガル聖書という、新改訳とNIVの一緒になった聖書が発売されました。アメリカにある日本語教会としては、これはとても便利でかなりのメンバーがこれをもっています。新共同訳にも日英の聖書がついたものがありますが、英語の方が、Today’s English
Version というあまり私どものような福音的教会では使われていない訳で、一応私も持っていますが、そう熱心に使ったことはありません。まあ日本聖書協会が、NIVとかNASVを英語の方に入れるとは思いませんが、せめて欽定訳(キング・ジェームズ訳)でしたら、その時点で教会の聖書をそっくり新共同訳に替えたかもしれません。
それはともかく、まず私たちが教会で使っている新改訳については、私は牧師として、「うーん」とうなるような翻訳だとは思っておりません。私たちの神学生だったころ、新改訳聖書は完成しました。その頃日本の福音派の教会はこぞって教会の公用聖書を、それまでの口語訳からこの新改訳に変えました。それからも何度かこの聖書は細かい部分で改訂されました。それで良くなったかというと、正直なところ日本語としては、口語訳、新共同訳より劣っているのではないかとさえ思います。訳が正確かどうかということより、日本語が聖書としての格調に欠けると思っています。では「どうしてそんな聖書を使うのか」と問われますと、私がもう35年もこれを使ってきたこと、とりあえず福音派の多くの教会で使われているからということ、教会で使う聖書として口語訳・新共同訳が、新改訳より取り立てて優れているようにも思えないと言う程度の理由です。NIVもしかり、まあ現代人には適した英文訳ということですが、格調の高さと言えば、おそらく欽定訳(キング・ジェームズ訳)でしょう。我が家の子供達が学んだオーラル・ロバーツ大では、オーラル・ロバーツ先生が欽定訳主義者ですから、今でも、欽定訳を使っています。卒業の時には全卒業生が新しい欽定約聖書を記念にもらいます。日本人の我々も文語訳を使ってもいいのではないかと思います。最近、若い人たちの国語の弱さが指摘されていますが、聖書も文語訳を使ったらもっと国語に強くなれるかもしれません。日本のインマヌエルという教団は、私の記憶では随分長く文語訳を使っていました。もしかしたら、今でも使っている教会があるかも・・・・・・・。私の考えでは、あれは日本語の格調の高さと言う点では一番だと思います。
前置きが長すぎましたが、ここからがポイントです。聖書を通読しましょうということです。2月1日に日本から帰ってからですが、それまで日本語で読んでいた聖書を、今年は是非英語で通読してみようと、英語で読み始めました。我々夫婦は聖書を使っての仕事をしておりますから、日本語の場合、その気になって読み出せばかなり早く読めるのですが、やはり英語と日本語では、私の英語力ではだいぶスピードが違います。家内も今年は、懸命に聖書を読むということを年間目標にして、聖書の通読を年に3回くらいはすると言っていますから、非常に早いスピードで読んでいます。おそらく平均一日10章位は読んでいるでしょう。それに比して私は、やっと3章位です。これでは一年に一回が読めるかどうかという位です。それでも、英語で聖書を読み始めて、また聖書の意味に新しい光を当てられる個所があったことは驚きであり恵みです。実は恥ずかしい正直な話、私はこれまで英語で聖書を通読したことが一度もありませんでした。アメリカの神学校にいる時も、その都度必要なところは英語の聖書(NIV)を開きましたが、毎日の聖書を読むことはいつも日本語でした。まあ、そういうわけで今年は、遅まきながらNIVでも一度は読んでみようと思います。どの言語でもかまいません。一年に一回位は聖書を通読(全66巻通して読むこと)をしましょう。韓国のクリスチャンは、年3回くらい通読する人はざらにいるそうです。京都には、一週間集中して全巻読んで、読み終わった時、イエス様を信じていたという大学生がいたそうです。
聖書を流れとして知ることは大切です。私の経験では、新約聖書は比較的簡単に読めますが、旧約になると、初心者はこんがらがってしまうことがあると思います。旧約の五書から、ヨシュア、士師、ルツ、サムエル記くらいまでは、年代とか、流れの順になっているのでいいですが、列王記のあたりから、どこにどう続くのか分からなくなってしまうのです。イザヤ書からマラキ書までの、主として預言書がどこに入るかを、歴史的に押さえておかないと、困惑してしまうと思います。聖書辞典などに「イスラエルの歴史年表」が出ていますが、ああいうものをコピーしておいて、それを聖書に貼り付けておいたら分かり易いかもしれません。その年表は、南ユダ、北イスラエルの王様の名前が出ていて、それぞれの預言者がどのあたりで、預言をしたかが分かる年表がいいでしょう。ただそう思って、私は日本語の聖書辞典を調べて見ましたが、適当なものがありませんでした。私はアメリカにいるので、最近の日本語の文献はよく分かりません。英語のでは、Zondervan から出ている、Chronological Chart of the Old Testament、by John
Waltonというのを私は持っていますが、これは本当に薄い本(というよりチャート)ですが、ザッと見ていくだけでも、色々なことがチャートで出ていて、非常に分かりやすい随分面白い本で、聖書を読む時にも助けになると思います。分裂王国の時代になりますと、出てくる王様も多いですし、似たような名前の王様も出てきます。列王記を読みながら、チャートを見て、その時代の預言書を読むのはよいかと思います。エゼキエル書、ダニエル書などは、バビロン捕囚時代(BC586-539)です。エレミヤ書も、バビロン捕囚時代にかかっています。ゼカリヤ書、ハガイ書などは、捕囚後です。マラキ書も、おそらく捕囚後です。
是非、今年は聖書を通読しましょう。