2006年9月17日
「クリスチャン」
と言っても、イエス様を救い主と信じる者のことではありません。我が家の犬のことです。実は先週、ラッシーのことについて書いたので、今日はもう一匹(一頭というより一匹と言うほうが相応しいと思います。)の犬を紹介します。(「そこまでやるとは、バッカじゃなかろうか」と自分でこれを書きながらも思っております。)
あれは1992年ですから、息子のルークが14歳でした。犬を飼いたいと申します。実は先週もこの欄に登場したカリフォルニアの星教会のオリジナル・メンバーの山下さん家族には、ルークより一つ歳下のアンディーという友達がいて、彼らが犬を飼っていたからでしょう、ルークも犬が飼いたいと言いました。彼らの犬は、ラッシーと同じやはり血統書つきのシェルティーでした。我々は、そういう高価な犬は買えないので、「子犬のホーム求む」という広告で見つけたミックス(雑種)でした。それでもいくらかお金を払ったと思います。チワワと何か小型犬のミックスということでしたが素性は明らかではありません。けれども白い可愛い犬で、ルークが大喜びしたのを覚えています。何という名前にするかと言う点で、彼が言い出したのが「クリスチャン」でした。私はいくらなんでも犬にクリスチャンとは、と思いましたが予防接種などに行きますと、「この犬の名前は?」と尋ねられて、ルークが勇んで「クリスチャン」と答えますので、そのままクリスチャンになりました。ただ私たち大人は、「ス」を外して「クリチャン」あるいは、ただ「クリ」と呼んでおります。ですから、最近私たちの家に来る人たちは、この犬のオリジナルの名前が「クリスチャン」だということは、だれも気付かないと思います。
ルークの犬と申しましても、当時のルークはまだ若く、世話はもっぱら家内がしました。結局その後、ルークはサンホゼを離れ、行った先々へもこのクリスチャンを呼び寄せませんでしたので、ルークの犬と言うのは名ばかりで、実際は私たちの犬です。
実は、こんな犬の紹介だけなら、毒にも薬にもなりませんが、ここからが多少ポイントです。
我が家には以前たくさんの学生さんたちが集まっておりました。その中には、まだ小さくてまつわりついてくるクリスチャンが嫌いで、閉口していただけなく、叩いたりけったりした人がいたようです。それが原因だと思いますが、ちょっと根性が悪くなって、時として唸り噛む習慣ができてしまいました。何せ小さな犬ですし、まるで噛まれても、ドーベルマンが噛むのとは違いまして、まったく大したことはないのですが、それでも軽い傷になることはあります。「飼い犬に噛まれる」と申しますか、オーナーでも噛まれといやになります。私も二、三度噛まれました。「これはまずいクセがついたものだ」と思いましたが、どうすることも出来ません。ある時は、裏庭への木戸が何かの拍子に開いて、そこから外へ出たクリチャンが郵便屋さんに飛び掛ったようで、郵便局から「集配サービスを停止するかも」という手紙を受け取りました。こういう時、アメリカでは犬のオーナーのある人たちは、オーナーの責任上
プット・トゥー・スリープ(Put to sleep)を考えます。これは人間に対しては「眠らせる」とか、麻酔をかけるという意味ですが、動物の場合は「薬殺」することです。アメリカでは、人に飛び掛った犬は、まず訴えられたら薬殺は免れないでしょう。時々、人なつっこい犬が、噛むのではないけど、前足をあげて人に寄りかかることがあるでしょう。あれをやって、その人が犬嫌いの人で、それを訴えたら、まずその犬がどれだけ血統書付きの高い犬でも、薬殺の判決が出るでしょう。犬がどれだけそのオーナーにとって大切でも、人間の権利にはかないません。犬のオーナーは、犬は殺されるし、罰金は払わねばならないし、アメリカからのニュースで御存知の方も多いと思いますが、その犬が噛んで人を殺せば、オーナーには、二級殺人罪が適用されるでしょう。つまり犬を飼う場合、オーナーの責任は大きいのです。
正直なところ、気持ちとしては「プット・トゥー・スリープにしようか」と思ったこともありました。日本からのニュースでは、飼いづらくなって都合が悪くなったペットを捨てる人のことを知りました。犬猫くらいならともかく、噛みつきカメとか、危険な動物も捨てられているみたいです。オーナーは責任をもって始末すべきでしょう。高いお金を出したのかもしれませんが、それはペットです。人間ではないのです。
けれども私の場合、やはり「そうは言っても、寿命をまっとうさせてやろう」ということで、飼い続けて、今年で14歳になります。最近は、泣き止まないから叩いて殺したとか、おねしょをしたから折檻して死に至らしめたとか、子供に関する残酷な事件が多発しております。犬と人間が一緒になるはずがありませんが、都合が悪い犬の場合でも、なんとかかばって助けてやろうとする人たちもいるのですから、人間ならなおさらです。私は一度飼うと決めたら、その犬が死ぬまで飼う、あるいは死ぬまで飼ってくれる里親を捜すでしょう。危険なら檻にいれてでも、自然に死ぬまで飼うでしょう。寝たきりとか、とてもアグリーな犬になっても、Put
to sleep はしません。
私の聞いた中では18年くらいが一番長生きした犬ですが、読者の中にそれ以上長生きした犬を御存知ですか?もっとも血統によって、長生きタイプの犬と、どちらかというと短命タイプの犬があるようですが、クリチャンはどうも長命タイプだと思います。歳をとって性格は、以前より穏やかになり、最近は噛むことはありません。ただ、白内障か、片眼が見えないと思います。しかし今でも、プット・トゥー・スリープの原因になる、飛びつきをしますから、お客様にはなかなか紹介できません。ですから我が家の孫殿は、このクリチャンが苦手です。勿論、最近子供の多くなった教会には連れてこられません。けれども、我々夫婦にとっては、飛びついてくる、愛らしい犬なのです。
(写真) ルーク(15歳)とクリスチャン