2007年1月21日
「ボボちゃん」
あれは今から8年位前でしょう。まだ私たちの会堂が、教会として使えず、仕方なしに部屋を貸していた時代がありました。その時、教会に住んだ一人に、台湾から来た何瑞文 という女学生がおりました。中国語の読み方は遂に覚えずじまいでした。と言うのは、私たちは彼女が、「Bobo
と呼んで」というので、いつも彼女のことを「ボボ」と呼んでいました。まだ当時はESLの学生さんで、大学をめざして私たちの教会から近くにある英語学校に通っていました。
どういうわけか私を自分の父親のように、とても慕ってくれました。彼女の両親が離婚していて、父親がいなかったことが原因かもしれません。また彼女のおじいちゃんが、中国の海南島に旧日本軍の兵隊として行ったことも、私たちを近づけました。それは私の父が旧日本軍の兵隊としてその海南島にいたことを話したからです。あるとき教会から、そのボボちゃんが、台湾のおじいちゃんに電話をした時、私もちょっと話させてもらいました。そのおじいちゃんは流暢な日本語で、戦争当時の海南島の話をしてくれました。(その後、このオジイチャンは召されました。)
ボボちゃんはその後、アメリカでは大学へは行かず、帰国して台湾で、蔡東軒君と結婚し、現在二人の女の子のママです。
まだ教会にはなっていませんでしたが、私たちの教会の建物に住んでいたのですから、私たちとはしばしばお交わりがありました。礼拝には来なかったですが、アクティヴィティー(バス・トリップなど)には、私たちの仲間に入って来ました。私たちは何とかこの子がサンホゼにいる間に福音を伝えたいと思いました。彼女の台湾の友達には、新生したクリスチャンがいたようで、彼女がアメリカに来るとき、その友達から中国語の聖書をプレゼントされていたので、ボボちゃんは聖書を持っていました。私たちの話す英語も限られていますが、それより彼女の英語理解力のほうが難しかったのです。しかし英語しかコミュニケーションの方法がありませんでしたので、一生懸命英語で聖書を教えました。しかし結局、彼女がサンホゼに居る間は、彼女はイエス様を知ることはありませんでした。そればかりか、「これは私の記念だ」と、帰国の際にその中国語の聖書をおいていったのです。
ボボちゃんは帰国してからも、赤ちゃんが生まれた時とか、その子の成長に合わせて写真を送ってくれたりしました。私もどちらかというと、交わりは大切にする方ですから、台湾では買えないタイプの哺乳瓶などを送ってあげたりしました。
あれは2001年の同時多発テロのちょっと前でした。私たち夫婦は、台湾を訪問しました。台北方面ではなく、当時彼らの住んでいた高雄、台南方面を、3泊4日位の旅でした。
こうして、私たちは太平洋を隔てた、しかも英語を使った、主にe-mail でのお交わりでしたが、途切れることなく、コミュニケーションが続けられてきました。
昨年6月、私たちの息子のルークが中国語研修のために、台湾に行くというので、取りあえずの滞在先として、このボボちゃんの家を紹介しました。ところが、我々がJack
と呼んでいるボボちゃんの夫君、蔡東軒君は、自身で自動車関連の事業をしている非常に成功したビジネスマンで、彼らはエーブの息子からはお金は取らないと言って、結局ルークは、台湾滞在の3カ月間、ロハで生活したのです。しかし、ルークはボボの家で、福音を伝えないはずがありません。ルークはかなり中国語も話しますから、英語と中国語でボボ家族に福音を伝えました。台北でルークは、インターナショナル教会に行っており、そういう関係から、ボボちゃんはシュルツ宣教師を紹介されました。アメリカ人のシュルツ宣教師は、非常に流暢に中国語を話す宣教師のようです。
ルークは、8月の末に台湾から日本に行きましたが、ボボは、このシュルツ宣教師の指導で、ついにイエス様を信じ受け入れました。私たちは本当に喜びました。洗礼を受けるのは時間の問題と思っていたのです。ところがクリスマス前にメールが来て、洗礼はこのシュルツ宣教師からではなく、私から受けたいと言うのです。私は直ちに、「君を救いに導いてくれたのは、シュルツ先生でしょう?先生から洗礼を授けてもらいなさい」とメールしました。しかし、ボボちゃんは、私から洗礼を受けたいと言って、この3月に家族でサンホゼにやって来るというのです。
シュルツ宣教師が日本的なマインドの持ち主なら、彼は非常に面白くないだろうと察します。牧師にとっては、やはり洗礼を授けることが出来るというのは、伝道者冥利だからです(濡れるし、寒いから、やりたくないという例外的な伝道者もいるらしいが)。私は、もうボボちゃんに、「シュルツ先生から洗礼を授けてもらいなさい」とは勧めません。彼女が、私から洗礼を受けたいと希望しているからです。シュルツ宣教師も、アメリカ人ですから、個人の自由ということには理解があります。ボボちゃんは、シュルツ先生にも尋ねたそうです。そうしたら、シュルツ先生は「サンホゼでパスター・エーブに洗礼を授けてもらいなさい」と祝福してくださったそうです。私は勿論、シュルツ宣教師には、会ったこともありませんが、私は、このシュルツ先生は、心の寛大な素晴らしい宣教師だと思いました。ボボちゃんがきたら、彼女に洗礼を授けて、「台湾ではシュルツ先生と共に、素晴らしい信仰生活をしなさいよ」と奨励するつもりです。
私たちも、6年ぶりにまたボボちゃんファミリーに会えることを楽しみにしています。