2007年3月18日

「孫殿」

  牧師が、孫の話題をするようになったら、「伝道生涯も終焉が近い」と誰かが申しました。それで私は、なるべく孫の話題は出さない方針だったのですが、ここに孫の話が出てくるようになっては、「パスター・エーブ」も潮時なのでしょうか???

  私は今から2年半前、55歳の時に「おじいちゃん」になりました。娘夫婦が教会の裏のアパートに住んでおりまして、しばしばやってまいりますし、今は娘のキャロルが勉強をしておりますので、妻がベイビー・シッターを引き受けている関係で、ことに妻は孫殿とは親より長い時間一緒にいることもあります。

  孫殿…Asher Kai Hardy, 二歳4ヶ月、チョコチョコ歩きますし、ますます目が離せません。私たちは「カイ君」と呼びますが、ダディーはファースト・ネームの「アシャー」と呼ぶこともあります。恐らく皆さんは、すでにご存知のように、ダディーはテキサス人です。小さいころは分からなかったのですが、成長につれて髪の毛の色が栗色になってきたので、「やっぱり日本人の子供じゃないなあ」と感じます。しかし顔立ちは、十分に日本人的で、なかには「オジイチャンそっくり」などと言う方もおります。おまけに、妻と一緒にいることが多いので、会話は全部日本語です。「おいしいねえ」とか、「おっかいよ(おっかないよ)」とか、…・。ところが、ダディーが帰ってくると、ちゃんと英語に切り替えるので、環境と言うのは恐ろしいものだと思います。カイ君のママが教える日本語も限られているので、我々はカイ君の時々びっくりするような表現で驚きます。最近、孫殿が教会へ来るなり、私達に向かって、「アイシテルヨ」と言ったのには、驚きました。

  アメリカで育つ日本の家庭の子供は、「おじいちゃん」「おばあちゃん」の呼び方を、全くアメリカ人のように、「グランパ」とか、「グランマ」ということがあります。私たちは、最初から「おじいちゃん」「おばあちゃん」は避けたいと思いました。どうも、少なくとも私達には、「おじいちゃん」「おばあちゃん」の響きは、引退し余生を送っているというイメージに思えたからです。こちらにいる日本人の家庭では、「ジージ」「バーバ」と呼ばせる人も案外います。これは「ジジー」「ババー」よりはましですが、どうも、少なくとも私達には、その響きが良く感じませんでした。

  孫殿が成長し、言葉がしゃべれるようになってきた時、我々のことを何と呼ばせるかを考えました。娘のキャロルが、「ナナはどうか」と申しました。Nanny (乳母とか、おばあちゃんの意の幼児語)です。それ以来、妻のことは、「ナナ(おばあちゃん)」と呼ばせています。私の場合、「グランパ」は、初期のころなかなか呼びにくかったので、もっと短くして「グッパ」にしようと提案しました。これで、比較的早く定着しました。「グッパ」の場合、Grand Papa でなく、Good Papa に聞こえます。

  ちなみに婿殿にも、私達を呼ばせる時は、名前では呼ばせません。アメリカでは、「ジョージ」だの「スーザン」などと、自分の親を、日本的には呼び捨てで呼ぶことが普通ですが、私は婿殿からそうは呼ばれたくないので「トーサン」「カーサン」と呼ばせています。この呼び方が、実に我々の耳には優しいのですね。勿論私は、婿殿のことは、「チャールズ」と呼び捨てで呼びます。

  今週も、お客さんがあったり、市の建物検査の不具合の調整、税申告など、実にこまごまとした仕事に時間をとられて、更新が遅れました。それが孫殿の登場をしていただく理由です。決して、伝道生涯の終焉というわけではありませんので……。